プラモよ原始に戻れ〜ディテールの帰納と演繹〜
僕は両方とも大好きだ。
特に『スター・ウォーズ』(以下SW)が僕の人生にもたらしてくれた影響は大きく、年間150本近く映画を観る僕の映画大好き人間としての基礎を作り上げてくれたのは間違いなく幼少期に触れたSWだ。
そんなSW旧三部作に登場する特徴的なメカニック郡は、古今東西のプラモデルを貼り付けてディテールを表現していたというのはファンであれば多くが認識している事実だろう。
SWを代表するメカであるハン・ソロの愛機、ミレニアム・ファルコン号のディテールにどんなプラモデルのパーツが利用されていたのか、この一連の記事を読めばその一端が理解できるだろう。
http://bandaihobby.hatenablog.com/entry/2017/07/21/190000
そしてバンダイが如何に尋常ならざる情熱を傾けてこのディテールを再現しようとしたのかは以下のリンクに詳しい。
https://wivern.exblog.jp/27092610/
そんな訳で、遠い昔、はるか彼方の銀河系で戦っていたSW旧三部作のメカは、半世紀ほど昔の地球生まれのプラモデルのディテールを持っていたわけで、SW旧三部作メカのプラモは一度映画作品のプロップとして記号化されたプラモのディテールを宿して再びこの世に産まれ落ちた存在というわけだ。
バンダイのSW「ビークルモデル」シリーズは必要最低限のパーツ数で数十分作業をすれば銀幕で出会ったとおりのメカが目の前に現れるので、仕事から帰宅して何か作りたい時に衝動を満たすのに非常に重宝する存在だ。
第一作目、EPⅣを観た当時のファンが度肝を抜かれたという画面を埋め尽くすほどに巨大なインペリアル級スター・デストロイヤーも、このシリーズならスマートフォンサイズに縮小されているので掌で愛でることができる。
このプラモ越しにPC画面で宇宙を見れば、そこにはスター・デストロイヤーから逃げていくタンティヴ(タナヴィー)Ⅳが目に写るようだ。
このようにスター・デストロイヤーだけでも大満足なのに、このキットにはスター・デストロイヤーに加えてスーパー・スター・デストロイヤーまでついてくるところが最高に贅沢。
ランナーにはスターデストロイヤーの開きが。
このハイディテール、凄くない?小骨までディテールぎっちりよ。
ここなんてヨダレものじゃない?
僕には判別できないけど、何かしらの戦車のディテールらしきものが見えるじゃない?
ここまでハイディテールなんだから、別キットのディテールアップに使ったら映えそうじゃない?
HGUC Zガンダム(REVIVE)のフロントアーマーがあるじゃない?
見比べてみるじゃない?
形状ピッタリそうじゃない?
切り出してヤスリかけて、嵌めるじゃない?
結構いいんじゃない?
はい。
そんな訳で「トラスフレームとか組んだことないよ!」という人でもできるお手軽ディテールアップTipsでした。
現実の世界のどこかに確かに「正解」が存在するスケールモデルと異なり、キャラクターモデルは劇中に登場した姿以上にいくらでもディテールアップをすることができる自由度がある反面、「いやいや、そんなこと初心者には容易に真似できないよ……」という超絶技巧の作例を見て、自分の実力不足を痛感して息苦しさを感じる一面があるのも事実。
「できないこと」は沢山あるけど、どんなモデラーにもそれと同じかそれ以上に「できること」ってあるはず。
見立てて、切り出して、貼る。
それだけできれば何かそれらしいディテールを加えることができちゃうSWビークルモデル切り貼り大作戦feat.ガンプラ。
一度覚えたらディテールなしの味気ないサイドアーマーやフロントアーマーの裏側が、何でも描ける真っ白なキャンパスに見えてくること請け合い。
SWビークルモデル、基本的に5〜600円(スター・デストロイヤーはサイズが大きいので少々高い)あれば買えちゃうくらいやすいので失敗も怖くない。
プラモによって細部を彩られた映画のプロップが、再びビークルモデルという商品に生まれ変わり、その形状の一部が再びプラモのディテールとして生を得る。
プラモ無限ループ、プラモ無間地獄。否、プラモ生々流転。
巡る巡る。ディテールは巡る。